書くのが大変……?代筆のススメ!

私は「自分史講座」の講師を担当することがあります。1回2時間で終了する講座であればほとんど「自分史とは」と「つくりましょう」で終わってしまいます。とても書き方・つくり方までは進むことができません。
ここで心配になるのが「書くハードルをどのようにクリアできるのだろうか」ということです。その1つの手段として「代筆を利用しましょう」と紹介しています。

■自分史の最大のハードルは「書く」こと

「自伝・自分史・自叙伝」の作成にはいくつかの工程があり、中にはハードルとなる作業もあります。

「過去を思い出す」というのが自分史の前提であり、ここを苦手とする人はあまりいません。これが好きだから、自分史をつくりたいと考える人が多くいます。
同様な作業が「自分を見つめ直す」ということ。自分史をつくることの目的の1つがここにあり、これを避けては自分史をつくる価値がなくなってしまいます。
「ストーリーを考える」というのも楽しいことでしょう。過去を思い出し、説明する順番を決めていきます。
「資料を探す」となると、「何もない」という声が出るようになります。「写真がない」「文集もない」という状態です。しかし、これは必須ではありません。ないなりに記憶をたどってつくることは不可能ではありません。

だいたいここまでは多くの人が抵抗なくできます。次に立ちはだかるのが「書く」工程です。急に先に進まなくなってしまいます。
抵抗なくさらさらかける人は希です。ほとんどは書き出しから躊躇します。
「書く」ことは大きなエネルギーと習熟を必要とする技術なのです。そのため、昔から「書記」「ライター」「作家」という役割や仕事が分業化されてきました。

なお、ハードルとなる工程に「印刷」もあります。ここは確実に外注が必要となり、それなりのお金が必要です。逆に言えば、お金があれば解決できる工程です。インターネットで印刷業者を探すこともでき、昔と比べれば破格の金額で印刷することができるようになりました。

■書かないで自分史をつくるには

さて、「書く」工程です。書かないで自分史を作成することはできるのでしょうか。
これは確実に可能です。次の方法が考えられます。
・ビデオでつくる
・写真でアルバムにする
・代筆に依頼する
これらを順に解説しましょう。

  • ビデオでつくる
    ビデオカメラが普及しており、撮影が簡単にできる時代になっていますし、撮影した動画はテレビで気軽に見ることもできます。
    これなら書く必要はありありません。しゃべるだけです。しゃべることが達者な方はけっこういます。
    しかし、撮影にも編集にもテクニックは必要です。知り合いにその技術を持っている方がいればいいのですが、業者に頼むとそれなりの費用がかかります。
  • 写真でアルバムにする
    これも手軽に取り組むことのできる手段です。昔の写真、新聞、手紙、その他資料を集めて、年代順の自分史アルバムをつくっていきます。必要に応じて、タイトルを付けたり、感想を記述したりすることができます。
    このようなアルバムづくりを提供するネットサービスもありますし、アプリケーションもあります。
    このアルバムつくりの1つ目の問題は、写真や資料が充実していない人が多いことです。若い方なら別ですが、50歳以上で赤ちゃんのころからの写真が手元にある人は少ないでしょう。
    2つ目はサービスやアプリケーションの操作が難しいこと。覚えるのに時間がかかりますし、やりたいことができず、ストレスを感じてしまいます。

■代筆に依頼する これがおすすめ

3つ目の対策が代筆。書くことの専門家に依頼して、取材を受ける手段です。最も費用対効果が高いと思われます。

第1のメリットが書くためのトレーニングとその時間が不要になることです。
実際書いては捨て書いては捨てて、少しずつ文章が完成され、文章作成の技術力も上がっていきます。そのための時間がもったいないのです。たとえ文章の技術力が上がっても、他に使う機会はほとんどありません。

第2のメリットが、早いということ。取材を受けて聞かれたこと、書きたいことを口にすれば数日で原稿が上がってきます。じっくり時間をかけたい方は別ですが、いろんなことに忙しい方には魅力的ではないでしょうか。

第3がいい自分史ができること。これは文章もそうですし、構成もそうです。プロが聞いて、プロが書くのですから品質は高くて当たり前です。

もっとも代筆の看板を上げている「自称プロ」がすべて高い技術力を持っているわけではありません。とりわけ、「自伝・自分史・自叙伝」の書き方は他の著述に比べて異なる部分が多くあります。市井の方の人生を市井の方なりの文章で記述しなければなりません。スクープ記事や広告のような表現の自分史では困ります。

代筆選びのポイントは実績ではないかと思います。実績のあるライターであれば間違いないでしょう。

とはいえ、この連載では書き方のテクニックにもこれから詳細に触れていきます。引き続きご覧ください。

■まとめ

自分史の最大のハードルは「書く」こと

書かないで自分史をつくるには
・ビデオでつくる
・写真でアルバムにする
・代筆に依頼する

代筆に依頼する これがおすすめ