「自分史 書き方作り方」講座

自分史の作り方を紹介します。
プロならばのノウハウやコツ、テクニックを、長年やって来たノウハウの記録としても残しておきたいと思います。
なんらかのヒントになれば幸いです。
興味深い内容のみですので、ぜひご覧ください。

電話090-2552-7565 メール contact@suzuki.email.ne.jp   

■自分史とは

「自分史」とは何でしょうか。「自分史 書き方作り方」の最初は「自分史って何?」という疑問から答えることにします。皆さんはこんな疑問を持っていないかもしれませんが、「自分史 書き方作り方」を始めるには、避けることができません。

■自分史とは自分の歴史

何のことはありません。文字どおり、自分史とは自分の歴史のことです。
人間には誰でも歴史があり、人生があります。それを文章にしたり、ビデオにしたりして残すのが「自分史」です。
「自分史」は新しい言葉です。1975年に色川大吉氏が「ある昭和史 自分史の試み」という本を出版し、ここで初めて「自分史」という言葉が登場したといわれています。色川氏の訴えは次のとおりです。

同時代史はあまりにも身近すぎて、歴史として熟れていない。それにもかかわらず、もっとも書かれねばならないものだし、今こそめいめいが“自分史”として書かねばならないものだと思う。
人は誰しも歴史をもっている。どんな町の片隅の陋巷(ろうこう)に住む「庶民」といわれる者でも、その人なりの歴史をもっている。それはささやかなものであるかもしれない。誰にも顧みられず、ただ時の流れに消え去るものであるかもしれない。しかし、その人なりの歴史、個人史は、当人にとってはかけがえのない“生きた証し”であり、無限の思い出を秘めた喜怒哀歓の足跡なのである。この足跡を軽んずる資格をもつ人間など、誰ひとり存在しない。

■「平凡に暮らしてきた人」を綴るのが自分史

広辞苑を開いてみましょう。広辞苑では、自伝と自叙伝は同義語とされています。
これに対し、自分史は「平凡に暮らしてきた人が、自身のそれまでの生涯を書き綴ったもの。自伝。」と紹介されています。色川氏の提唱に準じているようです。「平凡に暮らしてきた人」がポイントとなります。
自伝と自叙伝が大なくくりで、「平凡に暮らしてきた人」にフォーカスしたものとして自分史があるようです。

■「自分史」の歴史

私がこの世界に入り「自分史」という言葉を知ったのは、2000年以降のことであり、正直造語のような気がして、違和感を覚えた記憶があります。
しかし、今では一般化されてきました。NPO「自分史活用推進協議会」という団体さえでき、私もそこに入会し「自分史活用アドバイザー」をしています。

この自分史活用推進協議会では、自分史の国内における歴史も検証しています。
それによると、1993 年には日本自分史学会が設立され、1999年に愛知県春日井市に日本自分史センターができています。自分史関連のコンクールやイベントも開催されるようになり、各地で自分史講座が開かれ、自分史のサークルもたくさんつくられるようになりました。
この後、2010年7月に、一般社団法人自分史活用推進協議会が設立されています。自分史の魅力を伝え、活用法を普及し、自分史を活用して自分らしく生きる人を増やすことで日本を元気にしようというのが目的です。

■自分以外でも「自分史」

「自分史」は自分に関することですが、他の人の人生を記したものも「自分史」と呼ばれています。自分で書いたものではないにも関わらずに呼ばれているのです。
多いのが両親を書いたもの。例えば、亡くなった父親の人生を書く、亡くなった母親の人生を書くといった類です。先祖代々を書く方もいますし、祖父と父親を書く方もいます。私も何件かこのようなパターンのお手伝いをしたことがあります。
「家族史」にも含まれますが、広い意味では「自分史」として扱われています。

■他の書籍との比較

似たような書籍と比べてみます。
「伝記」はどうでしょうか。学校の図書館には「伝記コーナー」がありましたね。エジソン、リンカーン、野口英世……。懐かしい思い出です。これからもわかるように、その人から人生を学べるような偉人が対象となっています。この点、自分史は「平凡な人」というのが強調されています。

「回想録」もあります。これは事件や人生を振り返るもので、記録あるいは文学作品の一形式です。偉人や事件などが対象で、自分史のように「平凡な人」ではありません。

「日記」は自分のために書く記録であり、自分史ではありません。しかし、自分史が「平凡な日常」であることから、日記をベースに自分史を書こうという動きも一部見られます。面白い現象です。読ませるための工夫をすることで、日記が自分史に様変わりします。

自分史のつくり方を教えるこの連載。自分史とは、平凡な人の平凡な日常を綴るものです。ですから、この連載は平凡な人の応援歌でもあるのです。

■自分史の意義・メリット

「自分史」のメリットについて考えてみます。「自分史」の書き方やテクニックについて知りたい方にとっては、前書きが長くなってしまいますが、もう少しお付き合いください。

1 存在を証明


「自分史」は、自分という人間の「存在証明」になります。ちょっと哲学的ですね。
ついでに哲学的なことをいうと、デカルトは「我思う故に我あり」と言いました。これはけっこう有名な言葉です。自分の存在は「自分がものを考えていること」で証明できるということです。
しかし、そうでしょうか。東洋では自分は無であるといい、もしかすれば自分は「胡蝶の夢」かもしれないと、自分の存在を疑っています。「思う」だけでは、自分の存在の証明にはなりにくいのではないでしょうか。

自分の存在を証明するもの、それは他者なのです。

例えばここにコップがあります。コップ自体では自分の存在を証明することはできません。しかし、ここに人間の手があり、その手がコップを握ると「ここにコップがある」と感じ、これでコップの存在が証明されます。同時にコップは手の存在を知ることになります。

「自分史」も同じ役割をします。
自分の人生を他の人が読むことで、存在を証明できるのです。「我あり」と自分だけで思っていては存在の証明にはなりません。
「自分史」を他の人に読んでもらい、自分の存在を証明してもらいませんか。
その「他の人」はごく少数の人でもかまいません。その人たちにあなたの人生を知ってもらうのです。記憶に刻んでもらうのです。

今では国会図書館も自費出版の書籍の納本を受け入れています。ご近所の図書館もそうかもしれません。図書館の倉庫にあなたの本がある限り、あなたの存在が長く息づくことになります。こう考えると、ちょっとすてきではありませんか。

2 記憶を残す義務がある


人間にはそれぞれ独自の人生があり、それは一人ひとり異なるものです。そのあなただけの人生を何かのカタチで残してみませんか。

人は事件を記憶しますが、往々にして日常生活を当たり前と感じて残そうとはしません。これが後世になって、歴史の大きな欠落となります。事件はわかっても日常がわからないからです。

私たちには、人生の先輩として、歴史の生き証人として、誰もが自らの記憶を次の時代に語り継ぐ義務があります。それが人類の成長の源となります。

親戚のおじさんの話ですが、戦争時代の記憶を文章にしたことがあります。おじさんはどうしてもそれを生きているうちに書き留めておきたかったといいました。東京大空襲で、隅田川に死体が魚の群れのように流れていった、火事が起きて、耐えられなくなって、人々はその川に飛び込んでいった……、そんな物語でした。

このようなことは、体験した人間でなければわかりません。これは特殊なことかもしれませんが、皆が異なる日常をもっています。その日常を記録として後世に残しましょう。あるいは平凡で小さな人生かもしれません。しかし、その平凡で小さな人生が集団となって、人類は発展してきたのです。

私たちには未来に記憶を残す義務があります。これは「自分史」の大きな役割です。この機会に、「自分史」として、あなただけの体験や思いを公開しましょう。

3 自分を知る、人生を振り返る


自分の人生を見つめ直してみませんか。

そのツールとして「自分史」を活用しましょう。シニアの方ばかりではありません。小学生や大学生も「自分史」づくりに取り組んでいます。

生きている間に、ちょっと立ち止まって自分の人生を振り返るというのは重要な作業です。
これはシニアに多いことですが、長く生きてきて、この辺で自分の人生を総括してみようと考える方が多くいます。実際、自治体などで自分史セミナーや講座を開催すると、参加者の多くはシニアの方です。老人ホームがサービスの一環として、自分史セミナーを提供しているところもあります。

若くても一定期間ごとに自分の人生を振り返ることで、1つの区切りを付けることができます。今までの生き方を確認して、次の目標に向かって、新たな一歩を踏み出すことができるようになります。
最近、40代の男性の方からお電話で相談を受けました。その方は10年ごとに自分の人生を書きまとめているそうで、今度は書籍にしたいから手伝ってくれないかというのです。大変すばらしいことだと思いました。

大人ばかりではありません。子どもにも効果があります。子どもとはいえ10年生きてくれば10年分の、15年生きてくれば15年分の人生があります。
「自分史」を教育の一環で取り入れている小学校があります。卒業の記念として「自分史」をまとめさせているのだそうです。いろいろな人に尋ねて、「自分史」をまとめ上げることにより「自分は一人で生きてきたのではなかった」と多くの生徒たちは認識します。周囲に感謝すると同時に、他者の人生も認めるようになります。
この効果の1つとして「いじめがなくなった」とその教諭は語っていました。自分史をまとめることで、他人の人格も尊重できるようになるそうです。

大学生が就活の際に「自分史」をまとめるという話もよく聞きます。
20代前後で自分の適職や本当にやりたいことが見つからないと悩んでいる方は多くいます。こんな時に、「自分史」を書いて自分を見つめ直し、進むべき方向を見つけるのです。

4 両親や恩師へプレゼント


両親や恩師へプレゼントしましょう。

これもよくある事例です。両親や恩師への感謝のカタチとして「自分史」をプレゼントするのです。

「自分史」をプレゼントすることは、相手の人生や人格を尊重していることになります。受け取った方は、単なる書籍をもらった以上に自分の人生を認められた喜びを得ることができます。

とはいえ、プレゼントする方が両親や恩師の人生を深く知っているわけではありません。十分な取材が必要となります。このため、「自分史」を作ることの了承を得てから、取材に入る必要があります。
場合によっては、両親や恩師が自ら執筆するかもしれません。

前者の例では、関東近県ですが、母親に「自分史」をプレゼントした方がいました。おしゃべりなお母さんで、子どもや孫が集まると自分の昔話をよくするのだそうです。その母親が元気なうちに「自分史」をプレゼントしようと兄弟で話し合って決定しました。
しかし、自分たちが書けるわけではありません。その道のプロを探して、私が担当することになったのです。

後者では、そのお父さんが自分で「自分史」を書きたいとの希望を持って、すでに原稿を書きためていました。それを娘さんが知って費用を捻出し、出版にこぎつけたのです。
この際の原稿のまとめとリライト、編集を私が担当しました。

書くのはプレゼントをする側(例えば子ども)、される側(例えば親)に分かれますが、費用を負担するのはプレゼントをする側です。
必ずや両親や恩師の笑顔を見ることができるでしょう。

5 脳を活性化


自分史で脳を活性化しましょう!

この辺になるとシニア向けの「自分史」になります。
「自分史」をつくるには、自分の過去を思い出さなければなりません。これが脳の活性化になります。

思い出すという作業は、ものを創り出すクリエイティブな作業と同じ程度に頭を使うのだそうです。それでなくても、「自分史」の場合は大昔のことを思い出さなければなりません。

あやふやな記憶を必死に絞り出します。時間がかかるかもしれませんが、1つの記憶が鮮明になって、同時に似たような記憶も蘇ります。その記憶を比較し、前後関係を考え、間違いのない過去を再現します……。確かにこの作業は頭を使いそうです。

思い出すだけではありません。「自分史」は思い出した内容を順番に並べ替えなければなりません。必ずしも時系列とは限りません。テーマごとにくくらなければならないこともあり、これら構成を考えることは、大変頭を使います。

そして文章化。文章を書くのは頭を使う作業です。いやになって逃げだしたくなるかもしれませんが、自分の過去を振り返り、それを「自分史」としてカタチにしていくことは楽しい作業です。時間は十分にあります。あせることなく、「自分史」作成に取り組みましょう。

自然と頭脳は活性化され、認知症になる確率も下がっていきます。この効果を認めて、「自分史」の作成を推奨している福祉施設が多くあります。

東京都文京区は年度予算案に、高齢者福祉を見据えた「自分史」作成支援事業費約97万円を盛り込んだそうです。区長は「自分史を作成することにより元気な高齢者が増えれば医療費などの抑制にもつながる」と話しています。

6 怨み辛みを昇華


怨み辛みを、本にして昇華しましょう。

自分史の仕事を始めて意外だったのは、恨みや辛み、暗い過去を本にしてしまおうと考えている人が多いことです。「つらい思い出を書くことで、それから切り離されたい」ようです。
同時にその重要性にも気づかされました。暗い過去を、いつまでも一人で抱えていても、辛くなるだけ。本にしてデトックス、さらには昇華し、新たな人生を歩もうとされる方が多かったのです。

悩みや鬱屈は、誰かに話すだけで解消できることが多いものです。一人で悶々としているよりも、人に話すことで、頭の中を整理できますし、悩みから解放された気がします。
積もり積もった怨み辛みもそうです。誰かに話すことで、ずいぶん気が楽になります。
「自分史」もこれと同じ、あるいはそれ以上の効果があります。

こんなことがありました。金融機関に勤める女性から依頼された「自分史」です。その方はなかなか出世できず、紆余曲折の末に50代を迎え、平職員のままその金融機関で勤めることになりました。その企業には等級があって、それが同期の社員と比べて、なかなか伸びなかったのです。
そんな彼女の半生を執筆するのが仕事でした。
彼女は特に憤慨するでもなく、淡々と取材は終え、一度原稿を修正し、印刷納品しています。何に使うかまでは確認しませんでしたが、きっとこれで彼女の恨みも晴れるのだろうと思いました。

ゲイの方から相談を受けたこともあります。波瀾万丈な人生で小説になりそうなエピソードをいくつもお持ちの方でした。筆もたつ方なのですが、自分では書くのは「しんどい」と言います。誰かに代筆をお願いしようと私に声がかかったわけです。
この方は「自分史」はデトックスになる、といっていました。毒を吐き出して、残りの人生を明るく歩みたいようでした。

他にも、「自分史」を書くことで「自分の人生はそんなに悪いものではなかった」と再確認される方は多くいます。立身出世物語を「自分史」にする方は多くいますが、その逆もいるのです。

7 自分史は請求書?脅迫状?


これもこの仕事を始めてから気がついた意外な事実です。
表向きにははっきり言えない理由があって「自分史」を作る方がけっこういます。最も多いのが金銭も含めた「請求」です。

わかりやすい例が永年勤続者の「自分史」です。60歳を前になって、その団体や企業に長年勤めた方が、退職金をもらう時期になります。
そんな時に「自分史」を作るパターンが多くあります。これはご理解できるでしょう。退職は人生の大きなターニングポイントです。それを記録としてまとめたい気持ちは誰しもがあることでしょう。

その内容の多くは「自分がいかにこの会社の発展に貢献してきたか」です。こうして、自分の半生を文章にまとめ、記録にすると同時に、残された後輩へのノウハウとすることができます。

ところが、あるとき、その内容がずいぶんくどいことに気がつきました。法律すれすれのことも自分が率先して取り組み、会社の危機を救ったことも記されています。
もちろん自慢話であり、大いなる功績として主張したいのでしょう。

最後は会社や関係者への感謝で結ばれていますが、その方がポロリとこぼしました。

「経営者が2代目になって、私の貢献が闇に葬られようとしています。許されません。それ相応の報酬はいただこうと考えています」というのです。

ここにおいて、今回の「自分史」の意図が見えた気がしました。つくろうとした目的がわかりました。

ちょうど退職金の交渉する時期になり、「自分史」を貢献の資料として提出しようとしたのです。法律すれすれのことはさらに別に自分で追加資料をつくったかもしれません。
「ダーティな部分を自分が背負って、ここまで会社を大きくしたんだ」という揺るぎない自負があるのです。

その結果は知りません。
他にも駆け引きの道具として作成した「自分史」が多いような気がします。兄弟に向けて、親にかかった介護費の一部を支払うようにも読める「母の自伝」もありました。
明確な目的を持った「自分史」が多く、そのためにも大金をかけているのかもしれません。

「我思う」というだけでは存在の証明にはなりません。他者が認めることで、初めて存在が成立します。「自分史」が存在の証明になります。
あなたの人生を文章にまとめて、存在を宣言してみませんか。

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■エンディングノートと自分史はどう違うの?

「自伝・自分史・自叙伝」と比較されるものにエンディングノートがあります。「自伝・自分史・自叙伝」はシニアの方が取り組むことが多いものですから、エンディングノートとどのように違うのか、という質問をよく受けます。そこで、今回は「自伝・自分史・自叙伝」とエンディングノートとの違いに注目してみます。

■広がる「エンディングノート」の作成

エンディングノートとは、老い先短いと感じた方々が、終末期の希望や伝えたい話や記録などを、家族や大切な人に残すノートのことです。「終活」(人生の終焉に向けた活動や準備)という言葉が注目されるようになり、その一環としてエンディングノートも作成されるようになりました。
終末期の希望としては、介護の方法、延命治療、葬儀や埋葬の種類などがあります。伝えたいこととしては、財産や保険、クレジットカード、インターネット関連の個人アカウントの情報などがあります。
この伝えたいことの中に「自伝・自分史・自叙伝」も含まれています。自分の生い立ち、職歴、賞罰、思い出、考え方、周囲へのメッセージなどが含まれます。

■エンディングノートの効果

エンディングノートをつくることで、亡くなってからまたは亡くなる前の昏睡状態の時期に、家族への負担を減らすことができます。すでに、本人とは話すことができません。頼りになるのは、このエンディングノートだけとなります。
「自伝・自分史・自叙伝」の内容があることで、家族は個人の歴史を知り、自分たちへの思いを確認することができます。葬儀の際にこれを読み上げることで、感動を呼ぶかもしれません。エンディングノートは残された人々への、貴重な贈り物になるのです。
残された人たちばかりではありません。エンディングノートは書いた本人にも効果があります。自分の人生を見つめ直すきっかけになります。これを機会に自分の人生を振り返り、周囲への感謝の念が改めてわき上がります。
残された人生にも効果もあります。悔いを残すことなく、精いっぱい生きることができるようになります。「自身が今後の人生について考えるきっかけを与えてくれた」と、多くの人が語っています。残された人生に対して、ポジティブになれるのです。
また、漠然と抱いていた死への恐怖感や不安感もなくなります。もう、思い残すこともなくなるのですから「晴れ晴れと死んでいける」と言った人もいます。

■エンディングノートに関連する市場の動き

終活が広まるにつれ、「終活カウンセラー」や「終活アドバイザー」と名乗る方が見られるようになりました。「自分史活用アドバイザー」のようなものです。彼らにいわせると、終活で最初にとりかかるべきはエンディングノートの作成であり、これが終活の最重要ポイントになるのだそうです。企業に送られてきた社内統制や品質管理のコンサルタントが、ドキュメント作りから手掛けるのと同じです。何事もドキュメント作成から始まるようです。
エンディングノート向けの白ノートも多く販売されるようになっています。完成形ができあがっていて、それぞれの空欄を埋めていけばエンディングノートができあがる仕組みになっています。無料でダウンロードできるエンディングノートのフォーマットも多くあります。

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■自分史は儲かるの?本屋で売れる?

私に電話で相談してくる人は多くいますが、中には「ここで先生に書いてもらったら、私の取り分はいくらぐらいでしょうか」「1冊書いたらどれぐらいの儲けになりますか?」という話が少なくありません。
大変申し上げにくいのですが、個人の自分史を本屋に置いて売れるとは考えられません。まったく売れません。相談される方は自分の人生の特異性に妙な自信を持っています。自分ほど変わった人生を生きている人はほとんどいないだろうと。
だから、これを本にすれば相当な部数売れるに違いない。そこで、自分では書けないがプロに依頼して、本にしてもらおうと。
その方の奇異な人生は確かに興味深く、大変おもしろい本になるかと思います。しかし、それだけでは売れません。

■自伝は売れません

市井の一般人の「自伝・自分史・自叙伝」は売れることはありません。これが第一の誤解です。

芸能人が出版すると、売れるかもしれません。有名人だからです。
スポーツ選手もそうです。皆が知っており、熱烈なファンがいるから売れるのです。
市井の人がどのように興味深い人生を送っていても、誰も興味を示しません。

私は一般のビジネス書に関わることがありますが、売るためには広告をしなければなりません。この広告だけで数百万円かかります。
出版社はその売り上げを見込んで広告し、製本して本屋に並べます。
しかし、一般人の方の書籍ではそこまで面倒みません。このため、本屋に並べるには著者の持ち出しになり、何百万円もの投資がかかります。それでも売れることはありません。

政界あるいはビジネスで成功して、その成功の証として自伝を出版しようとする方はいます。これはこれですばらしいことです。しかし、一般の方がマネしてはいけません。

■鈴木光勇は出版代理人ではない

次に多い誤解が「鈴木というのは一般の人の自分史を書いて本屋で売って金儲けをしている」と思われていることです。このため「私の人生を語りますので、いくらで買ってくれますか」という交渉を持ち込まれます。

前述のように「自伝・自分史・自叙伝」は本屋では売れません。置いてはくれますが、自分の持ち出しになり、まったく儲かりません。
鈴木は代筆屋であって出版ブローカーではありません。

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■書くのが大変……?代筆のススメ!

私は「自分史講座」の講師を担当することがあります。1回2時間で終了する講座であればほとんど「自分史とは」と「つくりましょう」で終わってしまいます。とても書き方・作り方までは進むことができません。
ここで心配になるのが「書くハードルをどのようにクリアできるのだろうか」ということです。その1つの手段として「代筆を利用しましょう」と紹介しています。

■自分史の最大のハードルは「書く」こと

「自伝・自分史・自叙伝」の作成にはいくつかの工程があり、中にはハードルとなる作業もあります。

「過去を思い出す」というのが自分史の前提であり、ここを苦手とする人はあまりいません。これが好きだから、自分史をつくりたいと考える人が多くいます。
同様な作業が「自分を見つめ直す」ということ。自分史をつくることの目的の1つがここにあり、これを避けては自分史をつくる価値がなくなってしまいます。
「ストーリーを考える」というのも楽しいことでしょう。過去を思い出し、説明する順番を決めていきます。
「資料を探す」となると、「何もない」という声が出るようになります。「写真がない」「文集もない」という状態です。しかし、これは必須ではありません。ないなりに記憶をたどってつくることは不可能ではありません。

だいたいここまでは多くの人が抵抗なくできます。次に立ちはだかるのが「書く」工程です。急に先に進まなくなってしまいます。
抵抗なくさらさらかける人は希です。ほとんどは書き出しから躊躇します。
「書く」ことは大きなエネルギーと習熟を必要とする技術なのです。そのため、昔から「書記」「ライター」「作家」という役割や仕事が分業化されてきました。

なお、ハードルとなる工程に「印刷」もあります。ここは確実に外注が必要となり、それなりのお金が必要です。逆に言えば、お金があれば解決できる工程です。インターネットで印刷業者を探すこともでき、昔と比べれば破格の金額で印刷することができるようになりました。

■書かないで自分史をつくるには

さて、「書く」工程です。書かないで自分史を作成することはできるのでしょうか。
これは確実に可能です。次の方法が考えられます。
・ビデオでつくる
・写真でアルバムにする
・代筆に依頼する
これらを順に解説しましょう。

  • ビデオでつくる
    ビデオカメラが普及しており、撮影が簡単にできる時代になっていますし、撮影した動画はテレビで気軽に見ることもできます。
    これなら書く必要はありありません。しゃべるだけです。しゃべることが達者な方はけっこういます。
    しかし、撮影にも編集にもテクニックは必要です。知り合いにその技術を持っている方がいればいいのですが、業者に頼むとそれなりの費用がかかります。
  • 写真でアルバムにする
    これも手軽に取り組むことのできる手段です。昔の写真、新聞、手紙、その他資料を集めて、年代順の自分史アルバムをつくっていきます。必要に応じて、タイトルを付けたり、感想を記述したりすることができます。
    このようなアルバムづくりを提供するネットサービスもありますし、アプリケーションもあります。
    このアルバムつくりの1つ目の問題は、写真や資料が充実していない人が多いことです。若い方なら別ですが、50歳以上で赤ちゃんのころからの写真が手元にある人は少ないでしょう。
    2つ目はサービスやアプリケーションの操作が難しいこと。覚えるのに時間がかかりますし、やりたいことができず、ストレスを感じてしまいます。

■代筆に依頼する これがおすすめ

3つ目の対策が代筆。書くことの専門家に依頼して、取材を受ける手段です。最も費用対効果が高いと思われます。

第1のメリットが書くためのトレーニングとその時間が不要になることです。
実際書いては捨て書いては捨てて、少しずつ文章が完成され、文章作成の技術力も上がっていきます。そのための時間がもったいないのです。たとえ文章の技術力が上がっても、他に使う機会はほとんどありません。

第2のメリットが、早いということ。取材を受けて聞かれたこと、書きたいことを口にすれば数日で原稿が上がってきます。じっくり時間をかけたい方は別ですが、いろんなことに忙しい方には魅力的ではないでしょうか。

第3がいい自分史ができること。これは文章もそうですし、構成もそうです。プロが聞いて、プロが書くのですから品質は高くて当たり前です。

もっとも代筆の看板を上げている「自称プロ」がすべて高い技術力を持っているわけではありません。とりわけ、「自伝・自分史・自叙伝」の書き方は他の著述に比べて異なる部分が多くあります。市井の方の人生を市井の方なりの文章で記述しなければなりません。スクープ記事や広告のような表現の自分史では困ります。

代筆選びのポイントは実績ではないかと思います。実績のあるライターであれば間違いないでしょう。

とはいえ、この連載では書き方のテクニックにもこれから詳細に触れていきます。引き続きご覧ください。

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■作り方のステップ

自分史の執筆とはいえ、誰もが自在に文章を作成できるわけではありません。
そこでプロフェッショナルの鈴木光勇が取材し、思い通りの原稿に仕上げます。
以下のステップで進めさせていただきます。
もちろん、この一部でもかまいません。

1 企画・ご相談

電話またはお伺いして、概要と作業内容を決定し、スケジュールとお見積もりを提出いたします。

2 取材・執筆

お伺いして取材の上、原稿を執筆いたします。サンプル原稿の提出にも対応します。電話やWeb会議などリモートでも対応します。

3 原稿確認

書き上げた原稿をご確認いただきます。修正にも柔軟に対応いたします。この段階で原稿を納品することもできます。

4 編集・校正

体裁を決定し、写真等を埋め込みます。表紙のデザインも提案し、印刷工程に流し込めるようにします。

5 印刷・製品・納品

必要部数印刷して、納品いたします。

これはあくまでも概要。これら詳細を次から紹介しましょう。

■自分史はいくらかかるの?タダじゃないの?

このようなサイトをオープンしていると多くの質問が寄せられます。前の項目で「1冊書いたらどれぐらいの儲けになりますか?」という質問の多いことを紹介しましたが、同じように多いのが「自分史はいくらかかるの?」です。中には「タダでしょう」と思っている方も多くいます。これは大きな誤解です。

■自分史はタダではありません

作成料金にまったく無頓着な方と神経質な方の両極端があります。
無頓着な方は電話でいきなり、自分の人生を語り出します。1時間ほど話してから「これでいくらになりますかね」と聞いてきます。どうやら私が人の人生を聞いてその代金をお支払いしていると考えているらしいのです。

自分の持ち出しはなしで鈴木側がすべての料金を投資して、お客様の「自分史」を作成すると考えているようです。さらには、その利益の何割かを得ることができると考えている方も多くいます。
そのような方の多くは特異な人生を送っていらっしゃる方で、確かに興味深いのですが、鈴木が投資するわけにはいきません。
「自分史」にはお金がかかります。

■ちゃんとしたものなら100万円はかかります

「自分史にはお金がかかります」と伝えると、
「いくらでしょうか」という返答があります。
ここで条件をあれこれ並べると時間がかかることから
「100万円があればちゃんとした自分史がつくれます」と答えるようにしています。

実際100万円以上かかることがあれば、そんなにかからないことも多くあります。
私としてはお客様の心構えを確認していることになります。
それだけの覚悟があるかどうかです。
詳しくは「料金の目安」をご覧ください。

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■料金の目安

自分史の作成はオーダーメイド。一言で金額を設定できません。
ただ、いくらかと訊かれると「100万円があればちゃんとした自分史がつくれます」と答えるようにしています。
安くしようと思うのであれば10万円程度から、キチンとした本にするのであれば100万円。ケース入りで飾りたいのであれば200万円以上は必要です。
100万円なら、60ページ、印刷部数100冊までは対応できます。これはずいぶんお得です。

■基本料金

400ページ原稿用紙1枚当たり4,000円。
四六判でのページに換算すると1ページあたり8,000円になります。
取材は1回2万円。この品質でこの料金はフリーランスならではです。
代理店も私のようなフリーライターを使用しています。

■10万円パック

仕上がり印刷ではA5用紙15~20枚程度(原稿用紙で15枚~20枚)。文字数では6000字から8000字程度です。
部数も20部とコンパクト・スピーディなサービスです。

■コース料金

原稿用紙当たりの金額ではわかりづらいと思いますので、
以下を参考にしてください。

  • 8ページ 代筆 6万8,000円
    印刷・製本まで込めると 8万円
    取材込み、30部、中とじ。Word整版。
  • 16ページ 代筆 12万4,000円
    印刷・製本まで込めると 16万円
    取材込み、30部、中とじ。Word整版。
  • 32ページ 代筆 24万円
    印刷・製本まで込めると 32万円
    四六判。取材込み、30部、中とじ。Word整版。
  • 48ページ 代筆 38万円
    印刷・製本まで込めると 48万円
    四六判。取材込み、30部、中とじ。Word整版。
  • 60ページ 代筆 60万円
    印刷・製本まで込めると 100万円
    四六判。取材込み、100部、オフセット印刷。
  • 200ページ 代筆 200万円
    印刷・製本まで込めると 270万円
    四六判。取材込み、100部、オフセット印刷。

電話090-2552-7565 メール contact@suzuki.email.ne.jp   

■鈴木光勇プロフィール 30年の実績

氏名  :鈴木光勇(すずき こうゆう)
電話  :03-3848-5478
携帯  :090-2552-7565
Mail  :contact@suzuki.email.ne.jp
住所  :〒120-0015 東京都足立区足立2-28-8
出身地 :秋田県
学歴  :秋田県立横手高校卒業 明治学院大学文学部卒業
職歴  :広告プロダクションを経てフリーとして独立

資格  :(社)自分史活用推進協議会 自分史活用アドバイザー

電話090-2552-7565 メール contact@suzuki.email.ne.jp   

●30年の実績が能力の証です。

大学を出てから広告代理店、広告プロダクションを経て、フリーランスのライターとして独立。以来、コピーライター、マニュアルライター、テクニカルライター、書籍ライターとして、30年以上第一線で活躍してきました。現在は「自分史」をメインとしています。途切れることのないこの実績が能力の証です。

●ストーリー性のある記事展開を得意とします。

学生時代にシナリオスクールに通い、コピーライターになってからは展示会のナレーション、ビデオのシナリオ、マンガ販売マニュアルやマンガアプローチブックの原作などを手がけ、お客様の心をつかむストーリー展開を得意とします。「自分史」においても、お客様の波瀾万丈な人生を鮮やかに再現します。

●人にものを頼まれやすい性格です。

フリーランスとなる際、楽観して独立できた理由の一つが「頼まれやすい性格」であることでした。広告プロダクション内でライターをしているときから、継続していくつもの原稿を頼まれていました。いつもニコニコしており、たいていのことは「はい」と答えます。けっこう得な性格かもしれません。

●お客様を好きになります。

「自分史」執筆を続けて必要不可欠と思われるのが、お客様をいかに好きになれるか、尊敬できるかということです。好きになった方が、確実にいい記事が書けます。お客様の方もライターを巻き込んだ方が勝ちです。その方がライターは料金以上の仕事をします。

●納期厳守、スピードに自信があります。

お客様など関係者に驚かれることに、私の執筆スピードがあります。高品質な記事を極めて短期間に執筆します。納期に遅れることがないため、これが認められて次の受注につながることも多くありました。ライター家業が30年続いてきたのも、納期を守ってお客様の期待に応えてきたからかもしれません。

●東京オリンピックなど日本の歴史を体験しています。

「自分史」ライターに欠かせない条件の一つは、歴史を知っていること。私は日本の高度経済成長期のころに生まれ、東京オリンピックに湧く日本を見て、石油ショックによる物価の高騰を体験しました。バブルとその崩壊、阪神大震災、Windows 95、9.11同時多発テロ……。歴史の証人として「自分史」を執筆できます。

●代筆にも対応、おまかせください。

「自分史」はもちろん、幅広く代筆に対応します。ビジネスでも地域の活動でも、文章作成は必要になります。ライターとして30年間第一線で活躍してきた、私が代筆します。
寄稿文、論文、スピーチ、宿題、感想文、遺言などの実績があります。
お一人で悩むよりも専門家に依頼しましょう。
詳しくは「代筆・聞き書き

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■自分史 サンプル

●サンプル ばっちゃの物語

これは何の変哲もないおばあさんの幼少期です。自分史の書き出し部分です。自分史というのは、このようなまったく平凡な話であるということのサンプルになるかと思います。

●サンプル(小説風) 僕たちの脱走

これは物語の代筆です。自伝と言うよりは小説ですね。時々、このような小説化の依頼があります。自伝を小説風にしたい人が多いようです。

●サンプル あるスピリチュアリストの思い

私は過去世で、中央アジアの国の僧侶であり、求道者でした。豊かなオアシスの街があって、少し離れた荒野で修行していました。
しかし、その街が他国からの攻撃を受け、多くの方が焼け死に、その後の疫病でも市民が次々に亡くなっていきました。
私は、賢明に祈りを捧げましたが、人々を助ける力もなく、泣きながら街をさまよいました。

●サンプル 我が子へ、孫たちへ

自分の人生をまとめたい、記録を残したいと、ずいぶん前から考えていました。
とんでもない山奥で貧乏に耐え、東京で苦労し、小さな会社を持つことができました。
仕事の現場から離れてもう10年、私のような人間がいたことを覚えて欲しいと、冊子として残すことにします。

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